「流星」
ベンジャミン

好きな歌をうたうように
自分の願いを言葉にできたらいい

今日はずいぶん湿った空

暗い雲のむこう側は見えないけれど
きっと今夜もいくつかの流星が
音もなく燃え走る

今日はずいぶん湿った空だけど
それで良かったと思う

突然の流星に願うことを
とっさに思い浮かべることができない

好きな歌をうたうように
自分の願いを言えたらいい

そういう気持ちはあるけれど
瞳を閉じても暗い空
何も浮かんでこない自分を抱いて

ただ宇宙のように広がる何もないところに
まるで星のような光の粒を探しても
それは願いにならない過去の記憶

もっともっと深いところ
届きそうで届かないところ
こころのそういうところにあるもの

今日はずいぶん湿った空だから
明日になる前に探しておこう

願い事は見つからなくてもいい

願う事を忘れていない
そんな自分を感じられたら

それでいい


自由詩 「流星」 Copyright ベンジャミン 2011-03-31 00:24:15
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