かみひこうき
ささやま ひろ


ぼくのともだちはだれ


そんな行き場のない想いを
僕はいつも紙ヒコーキにして飛ばしてた
着地する場所も受け取る人もなかったけど

小学校の校庭のつき山から
中学校の木造校舎の二階から
高校の体育館の窓から
それから大人になってからもずっと

たくさん飛ばした

いつか受け取ってくれる人がいてほしいって思ってたけど
それが叶わない夢だってこともわかってた


ヒコーキは宙を舞って
誰もいない無機質な僕の心に降りつもる
カサッて微かな音をたてて重なり合い
誰にも知られることなく静かに眠りにつく
フライトレコーダーは ない


ついこの前のようで
とても昔のようで


ぼくのとなりにいるのはだれ


紙ヒコーキを受け取ってくれた人

誰もいるはずじゃなかった
着地する場所なんてなかった
僕自身がどこへもたどり着けずに彷徨ってた

けれど

ずっと待っていたかのように君はそこにいて

僕は
すべての過去にサヨナラし
静かに君にランディングした


自由詩 かみひこうき Copyright ささやま ひろ 2011-03-30 01:03:26
notebook Home 戻る