人が行き交う
言葉の波が漂う
お金が交差する
ここもある意味　町だ　息をしている

ヒューマンウォッチング
例えば大阪伊丹行
出発2時間前　搭乗予定客はもうStandby
落ち着かぬ待ち人　ゲートはまだClose
セッカチな県民性が垣間見える

沖縄那覇行
出発15分前　まばらな待ち人
満席なのにゲート前は祭りの後
10分前　ノンビリと祭りは始まる
5分前　客は他人事のように弁当を買う
00分　乗り遅れなしの見事なDeparture！

『札幌千歳行は機材繰りの為、ご搭乗時間が遅れます』
パズルの本もタブロイド紙も読み飽きた
動く歩道から息を切らしてプラチナの客が駆け抜ける
畳み掛けるような呼び出しアナウンス
乳飲み子連れは間一髪のゲートイン
グランドホステスは素知らぬ顔でゲートをClose

喧騒しい街のターミナル
朝も昼も夜も境がない
芝の目も読めないほど難しいホールだ
イレギュラーもタイトな乗り継ぎも日常茶飯事
僕が暮らしていくには大変だ

あと5分で千歳行のゲートが開く
見回すと色々な人達がいる

インテリを絵に描いたような中年紳士
派手な華道の著名人
歩くパワハラかと思えるうら若き女性クレーマー
滑走路をじっと眺めながら俳句を書いてるご老人
目は不自由で大変なはずなのにこれから飛行機に乗る嬉しさを隠しきれない坊や

数えたらキリがない　町は生きている
これから搭乗する航空会社のコピーが
『あんしんあったかあかるく元気』
日本も早くこんな感じにならないかなと願いつつ
まもなく機上の人になる