お伽話
一酸化炭素

その泡は未来を保証するものではなく
ただ覚悟を映すもので

眠りから覚めたとき
えがいた夢から突き飛ばされた

触れられぬ茨に
落ちた涙は意味をなさない

溶けるまぼろしは
朝までの期限付きで

小さなからだでは
微かな風にも抗えず

ニセモノならば
無くなってもいいのか

飛び出した世界は
けして澄んでなどはいなかった

穴からのぞいた空に
帰る手段は消えはてて

魔物の定義もわからぬままに
咲いた花にすがりついた



自由詩 お伽話 Copyright 一酸化炭素 2011-03-23 10:28:59
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