おっぱい
草野春心
おっぱいは最後がいい
まずはくちびるからがいい
それからうなじの匂いを嗅いで
おなかの温度に埋もれるのがいい
おっぱいは最後がいい
まるでそこに興味がないように
それ以外の部分を楽しむのがいい
ぼくのことをフェチズムの塊だと
信じ込ませなければいけない
本当はほんの子どもだということを
けして悟られてはいけない
おっぱいは最後がいい
おっぱいは逃げたりしない
いきなり金属になったり
爆発してしまったりはしない
急いではならない
しかるべき時間をかけて
敬意を払わなくては
たとえ途中で
ぼくかきみが死んでしまうとしても
あるいは世界が終わってしまうとしても
おっぱいは最後がいい
この文書は以下の文書グループに登録されています。
春心恋歌