詩が呼んでいる
ズー

詩が歩いている
ビルとビルの隙間に
入っていく

詩が食べている
今日の定食という定食を店員の詩がテーブルに置いて

詩が転んでいる
ハイヒールを手繰り寄せて顔を見せないように

詩が育っている
歩き始めて
目が離せない

詩が笑っている
とにかく楽しそうに
鏡に写っている

詩が飛んでいる
寒い場所から寒い場所に
湖から湖に、主に北に

詩が呑んでいる
なにを!くすりだ!
一献どうだ!賑やかだ!

詩が働いている
世界の為に、いいえ、
家族や自分の為に

詩が書いている
いつでもどこでも
紙とペンをお忘れなく

詩が回っている
普段はわからないけど
どうやら、そうらしい

詩が眠っている
珍しい色の詩で
寝相は悪いが保護色だ

詩が握っている
謎を解く鍵だったり
あなたの手だったり

詩が沈んでいる
トレジャーハンターが狙うには深すぎる

詩が流れている
あなただったら
なんて、名付けた?

詩が焼かれている
暖める為ではなく
いらなくなったから

詩が降っている
トタン屋根に犬の背中に
フロントガラスに私に

詩が生まれている
詩だけじゃなくて詩に
まつわる物語も

詩が泣いている
今日の夕飯はハンバーグを作るからって、奮闘中

私の知っている詩は
まだ、ありますが
詩が呼んでいますから
ここらで、失敬。


自由詩 詩が呼んでいる Copyright ズー 2011-03-19 10:30:21
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