リアライズ
umineko

車が
小枝のように
軽々と
流されていく

灰色の
獣の声は
うかがいながら高みを目指す

奪う
奪われる
手をつなぐ
確かめるため

失うもの
慟哭の意味を
胸に灯し
走れよ

君と
眺めた紫陽花は
どこかの岸辺に
打ち上げられた

それでも
春を待つだろう

声にならない
叫びをあげて





 



自由詩 リアライズ Copyright umineko 2011-03-13 22:30:21
notebook Home 戻る