冷厳なる現実 【未完】
ポー


それは梅の花が咲き誇る故郷の地で 粛々と静寂に包まれ冷厳なる現実として訪れた

桃の花が咲く頃にはいられないだろうと 誰もが知っていた いや わかっていたはずなのに


庭の至るところに 毎年 賑やかに季節の移りゆく様を誇らせた 兄の好きな梅花

導かれるように咲き 兄が築き上げた礎の如く大地に根を張り 遠き懐かしき月日へ誘う

冷厳なる現実は単なる別れや悲しみとは違う

どう生きてゆくか
どう活かしてゆくか
何を与えてくれたか
何を与えてゆくのか
どう逝くか・・・

計り知れない現世 計りようもない逝く世

肉体は地に戻り 魂はあの世へと昇りゆくという

死に際の兄の想いは何処へゆくのだろうか





自由詩 冷厳なる現実 【未完】 Copyright ポー 2011-03-11 21:10:43
notebook Home 戻る