それでも。
電灯虫

それでも

改札口で契約締結の申込みをして,
契約書を債務者の管理権の入口に通し,
相手の債務履行に揺られて,
その履行が完了した先で,労務提供の履行に励む。


時間に合わせて生活圏をせっせと整え
使用の痕跡をきれいさっぱり消し去り
ないものを作るのでなく,あるものをなくして,ない状態にする。
ないものに気づくのが名探偵の名探偵たる所以だとしても
あいにく英国生まれの血筋じゃないため、
真実の解明無く,警部からお褒めの言葉を頂けない。


暢気に暮らしていた
かぼちゃパンツを履いていた日を懐かしみ、
今日も赤い義務を背負って日程をこなす。
勉学の徒を目指すのか,破天荒な生き様を気取るのか
夢持ち自由に決めるには、
大人が飛ばす情報、多すぎ。
自分を構成する要素もいつの間にか決められているようで
こんな狭い集団の中,あちらこちらでフリクションが発生している。


それでも。


モノとコトバとイケテルお顔を尽くして
心に染み入る疑問のお声。
しかしながら、
ここ,所属しているファッション命の事務所では
あるかないか,いるかいないかは大違いで
資力と死力を尽くして,キープらないと。
ロシアもアメリカも関係なく、
本音の危険を顧みずに情報収集に励む。


ありきたりかもしれないが,
耳タコかも知れないが,
粉骨砕身,一意専心。
とってつけたような文化人気取るのも,
虎を目指してプラスもマイナスもない工具を何本か担ぐのも,
ないことの確認をしているみたいで,
否定に対して消えるのには腕に覚えありで,
悟り開くまで,センベエ座布団の上に一週間目。


それでも。


ゆるやかに軋んだと言えば
小論文の題材にしかならないかもしれないが、
私だってやっぱりつらいと言っている。
せめて私の上で暮らすのなら
笑顔を浮かべて素敵なママのように、
もうちょっと行儀良くして、と言いたくなる。
過去における温かさの
平均上昇率は
私の怒りの分。


その時々のアクセだとしても、
辛いの苦手な運命の人が
たまに食べるキムチの基でしかないとしても、
赤字の温もりを返済して欲しくて。
色んな工夫も効果が持続せず
賢い薬剤師に副作用の危険を諭される。
生誕の始まりの象徴が
早く早くと雰囲気で取り立てる。
どこが捨て場がわからない
毎夜毎夜,ビニール付の箱を抱いて眠る。


それでも。

コスト不要で、
タダだから。

それでも。


自由詩 それでも。 Copyright 電灯虫 2011-03-09 22:06:04
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