十一℃、曇天
草野春心
  シロい空を研いで、
  そのままで問う。
  コトバの後に何が来るのか、
  やさしさに終りや、
  始まりはあったのか。
  セカイ、きみは素っ裸だ。
  ぼくはいつも
  何処から手をつけたらいいかワカラナイ。
  アスファルトにはぬっとりと、
  精液がこびりついてる。
  まるでドーナツみたいな、
  デジャヴ・デジャヴが重ね重ねられ、
  ぼくやきみや彼や彼らが
  出会うことはもうポッカリと、
  この曇天の底。
  いまここに生きていることが
  うまく信じられません。
  ワキ腹に弾丸を撃ち込んでクダサイ。
  どうしょうもなく寒イ、
  どうしょうもなく、寒イ。
 
