腰抜け共、怒りの愛を剥き出せ
虹村 凌
何回ひとを好きになって何回キスをして何回セックスをして何回くり返せば
そんな事を言っているから精神的童貞性を卒業出来ずにいる
あンたを視ながら脳内で脱がせて愛し合っちゃってみるけど
ちっとも幸せな様子が想像出来なくなって
便所でため息つきながらビタミン臭ぇまっ黄色のションベンで流す
そんな事を言っているから
ヒモだバイトだと危機は減っていっている
収入が減るのにそれが安定していく
安心しそうな自分に腹が立つ
危機が減っていく
牙が丸くなっていく
この日常に埋没したくなっていく
あとはアイツさえいればなぁと気弱に笑いながら
生ぬるい日常に
まるっきり童貞って訳でもねぇのに
恋人って言うのがどういうものかわかんねぇ
俺と以外
一緒にラーメン喰ったりカレー喰ったり
煙草吸ったりコーラ飲んだり
セックスしたりセックスしないで寝たり
結婚しようと思ったり死のうと思ったり
しないでくれっていう契約なのか
それが面白いんだかつまんねぇんだかもわかんねぇ
そんな事を言ってるからいつまでも精神的童貞性を卒業出来ずに
そんな事を言うけれど
いまさら貧乏詩人と貧乏画家のロードムービーなんてやる気になんねぇし
そんな夢を見せておいて希望は与えてくれなかったあンたは残酷だ
なんてのはただの逆恨みとか因縁の類いで
いつか薄いシミになって消えていく
その前にこの愛を剥き出して突き付けてやらなきゃ
気持ち悪い