眠り
小川 葉




つまがねむり
むすこははなうたをうたい
やがてそのはなうたも
いつしかやみ
ねむりがおとずれている

はやくねむりなさいとしかりながら
ねむってしまったつまのこえも
はなうたをうたいながら
ねむってしまったむすこのこえも
いまはすこしずつとおくなって

そのねいきをきいている
わたしというわたしも
いつしかはじめからそうだったかのように
ねむってしまって

いつまでも
それまでのことが
それまでのままこいしくて

やがてあさがくるまで
ねむっている
あさがくればきたで
まいにちのにぎわいを
いのちのひでもやしながら



自由詩 眠り Copyright 小川 葉 2011-03-04 00:57:07
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