待つ
乱太郎


言葉足らずの季節がやってきて
降り注ぐ涙も白い息を吐く

部屋の暖炉で暖まっていたのは
自分一人だけ

棚に飾ってある詩集が
染みで黄ばんでいくのにも気がつかず

突然起きた表層雪崩に
夢の夢も覚め

聞こえなくなった携帯電話を
ただ握りしめている

あと二週間もすれば
探しにきてもらえるだろうか

春を呼ぶ涙
待っている僕


自由詩 待つ Copyright 乱太郎 2011-03-02 17:52:20
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