俺は今夜もこの街並みを泳いでゆく
洋輔



アスファルトを切りつけるタイヤの音
冷めた顔でさ迷う人波
今夜も街は安定を求めて
声にならない叫びを上げる

木は木に人は人に見えるのなら
ヒトは哲学なんていらない
腐った目をよみがえらせるため
人生を語るのに必死なんだぜ

俺が求めているのは調和じゃなく
タバコの煙に消え入りそうな危うさ
俺は今夜もこの街並みを
泳いでゆくのさ


Barでは陽気なJazzが流れて
酔えば説法も鼻につかない
今夜も街は刺激を求めて
サマにならない踊りに耽る

星が風が啼く声が聴こえるなら
ヒトは言葉なんていらない
つまった耳を解放するため
感動を呼ぶのに必死なんだぜ

俺が求めているのは安堵じゃなく
スネアの乾いた音のような潔さ
俺は今夜もこの街並みを
泳いでゆくのさ










自由詩 俺は今夜もこの街並みを泳いでゆく Copyright 洋輔 2011-03-01 19:36:57
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