とげ
朧月

とげのある花は美しい
とげのある木の芽はおいしい
とげのある枝の実もおいしい
私はとげによく刺さる

とげの入った手は痛い
とげは心に痛い
とげとげしいのは好まないが
とげとげしくなってばかりいる

無心で登った山
いちまいいちまい脱いでいった
山にはがれていった
手薄な私にとげは厳しく
ありのまま刺していった

触れたのは私だから
痛むのも私だから
とげはとげのままで綺麗に
天を向いていた



自由詩 とげ Copyright 朧月 2011-02-24 21:23:24
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