『この涙が あたたかさを失ってしまう前に』
座一



マナーモード バイブ音みたいな
寝息ですやすや きみが眠ってる
わたしの肩 まくら代わり
最終バスの中 ふたり


憎しみ合った 過去も全部
なみだで 洗い流して
そっとぬくもり 寄りそえる
きみが 大切で 愛しくて 失いたくなくて


思わなかった 思わなかった
きみを愛するが故に やさしくなれるなんて
笑わせたいよ 笑わせたいよ
この涙が あたたかさを失ってしまう前に



上下巻の 長編小説でも
わたしたちの歴史は語り尽くせない
おとうさんも おかあさんも
泣いていない 春の日


市立病院から 夜のはじまりへ
人影少なく 不安が混じる
気付けばとなり きみのともしび
きみを 起こさないで 安心して おやすみね


明日よりも きのうよりも
きみが大好きって 今がうれしい
抱きしめさせて 抱きしめさせて
この涙が あたたかさを失ってしまう前に


守りたい 守りたい
きみのしあわせは 私のしあわせだから
ずっと一緒に ずっと一緒に
手をつないで ふり返らずに歩いて行こう 


いつも そばにいるよ






自由詩 『この涙が あたたかさを失ってしまう前に』 Copyright 座一 2011-02-24 19:46:09
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