「窓」
ベンジャミン

透明な壁
両手のひらをつけたら
冷たい冬の風が伝わってきて
内側と外側の隔たりを感じた
両手のひらを胸にあてたら
どうしても届かないところにあって
淋しくなるほど困った
夜になって窓を見たら
自分ばかりがはっきり見えて
やっぱり閉まったままだと思った
透明な壁が鏡みたいに
そんな僕を見つめているから
慌ててカーテンを閉めた
カーテンはゆらめかないのに
内側にいるはずの自分が
冬の冷たい風の中で
ひとりふるえていた


自由詩 「窓」 Copyright ベンジャミン 2011-02-24 01:20:50
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