あなたまで
捨て彦

あれだ
あのー
いや
だからあれだ
さまざまだ
それぞれの。
それぞれがさまざまに
そもそものことを。

僕たちはいつも
そんなふうに

ま       ざ

ま             ざ



どうでもいいものを
見せつけられて
歩いているのだ
たぶん

生きているうちの
半分にも満たない
千切れた点

その空中に放たれた
五kgくらいの
結構でっかいそれを
僕という名の欠片は
通天閣の上のほうで
つーっと目を細めて
いつまでも
ぼんやりと見送っていたのだ

視界は
ぜんぶ赤い

ありとあらゆる
時間と空間の
交差したところで
僕の奥のほうから
たくさんの
いろんなものが
止めどなく
溢れ出してくる
モスで
電車で
駅で
家で
公園で
個室で
屋上で
ビルで


あ の 子 の お 腹 の 上 で

故障中のくるまで
見上げた飛行機の隣に
大きく泣き叫んだ朝に
血のおんおんと流れている地下道で
削った鉛筆の先っちょに


努 力 す る と い う 言 葉 の 反 対 側 に

とりあえず
僕は今
あらゆるものがスクランブルでくるくるって
突拍子もなく際立ってざらざらして果てしなくあなた
おお熱血ですか。って
ああ忙しい。
おほほ
おほー

それらしい言葉が
ぼとぼとと天井のほうから
落ちてきますけど
しかしほんとくるくるくるって
突拍子もなく際立ってざらざらして果てしなくあなた
そんなものは。って
だから僕は
ああ忙しい。
忙しいってホント。
おほほ
おほー
ほー

僕の目に映る
から
遥かなる障害物を
目まぐるしく説き伏せて
何万光年のさらにもっと先の
もっともっと向こうのほうで
こつんと俯いている
果てしなく
あなた
まで



自由詩 あなたまで Copyright 捨て彦 2004-11-02 22:40:23
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