僕は傘
邦秋

灰色で綺麗な罪 ぼやける煙の奥
渾身の嘘も見透かす オーラもかき消して

飛び級で勝ち取ったから 守るだけに夢中で
与えるより傷つけて 表が終わらない

なんで今日の僕は一人きり? その理由は明白
雨が降るときにだけ必要な傘の気持ちと今、同期する


微増する幸せさえ放れないから続いてく
最終電車と思うのはどうやら僕の方だけ

二人称で喜ぶことは 三人称にも使い回し
もしかしたら僕の方が 消化試合かもしれない

なんで恐怖を乗り越えたのに 空は未だ曇り
どうせなら君に雨よ降り続いて そして上向けて僕を差せ


自由詩 僕は傘 Copyright 邦秋 2011-02-21 11:24:23
notebook Home