ガアベラ
一尾

ガアベラの花束
を貰った発熱の呼吸のような色の花弁
を指で撫でつつプラスチックの彷彿めいた
香り甘さも生さもしんだよう


雪を蹴散らしながら徒歩帰り玄関
千切れるほど冷えた指で銀鍵を仕舞いながら花瓶
の破片を集めた今夏の記憶が耳の奥で再生され
ない
白蝋のように上等な陶器も細竹の花差しも



砂埃溜まるささやかな玄関に総浚い靴を並べ立ててガアベラ
靴穴の一つ一つに植える
思い付き

花壇


自由詩 ガアベラ Copyright 一尾 2011-02-20 00:49:03
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