紅白の雑音で聞きとれない会派離脱のイデオロギー
あおば

               110218




汐留、駒形、八丁掘、伝法院と
歩き回ったよ日和見感染警戒しながら
風も吹かない黄昏れ時に発熱
つんとすました日和下駄
消石灰が位階の簒奪狙ってた
仏頂面した男達が
鼻緒が切れたと蹲るからころの季節
気の効いたお上さんの登場までは半世紀あまりと
予告編を流すのが
夢見るデジタル人形の大好きなアナクロ映画館
遣り手婆の繰り出す賢いむく犬たちがワンと吠え
ワンワンワワンと繰り返す丑の刻参り
キャンと泣いたら5寸釘よと
竈の煙も昇らないのに消費税アップ
奉る祭壇掃除して
しおどめ
こまがた
はっちょうぼり
淡水魚の群れも
水煙を立ちのぼらせる乗っ込みの季節
泥鰌の群れも遡上する
年がら年中の代わり映えのない景色を入れ替えて
おもいきりクシャミしたいとマスクを外し
山田の案山子の横っ面に蹴り入れて
効いたセリフを吐き続けるのが
大型のヤドカリ
仏法僧の啼く大広間に通された
裏の小川で洗濯する天蛙が見えた
明日には
仲良くなれるか
なれないか
下駄の鼻緒をすげ替える器用な手が
盗み撮りしてDVDに焼き付けた
円盤投げ上手な殆ど無彩色のカマンベールチーズとお新香を
ビールのおつまみに用意するのが
古地図には載せない秘密基地
どこにもないはずの
空白の大地の何処かにあるという
どこにいっても
剥奪された音を立ててエコカー減税対象車が走ってきて
自転車にぶつかって大騒ぎ
これからの進化した人類は地下に潜るのか
映像の映し出せない旧式のFMラジオでテレビニュース放送を聞いていると映像はさほと必要性がないような気もするから大慌てすることなさそうな気がするが
来年の今頃にはもう少し非常事態が飲み込めるかもしれませんが
それでは遅すぎると言われそう
だれに
かれに
からころと日和下駄を鳴らされて






「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。




自由詩 紅白の雑音で聞きとれない会派離脱のイデオロギー Copyright あおば 2011-02-18 20:47:09
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