父の影
森の猫

27で父を亡くした

あのとき
あたしは
もぬけのからになった

数ヶ月
母と暮らした

父の大きさを
影響を
思い知った

もう
何十星霜も
たっているのに

未だ
父の影を
追っている

はにかんだ笑顔

煙草の匂い
髭の感触・・・



みつけて しまった
ふたたび 父の影を

遠い
あなたに
みた

重なる
重なる

父との思い出が
たくさん
たくさん
よみがえる

  髪を洗ってあげる
  つもりだった

あなたは
言った

深く
木の香りのする
楕円形の浴槽

幼いころ
いっしょに入った
お風呂

あなた…








自由詩 父の影 Copyright 森の猫 2011-02-16 23:34:20
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