希望
洋輔



何も起こらない何も動かない
どうしてこんなふうになっちまったんだ
何も語らない日々に語りかけようと
こんな所までやって来たはずなのに
俺はあんたに誓ったっけな
俺が俺らしく生きてゆくことを
なのに俺がいなくたって
世界は回るとごまかすのか

奪って傷つけて忘れちまって
―壊れるのが怖いわけじゃないんだ―
俺は与えるものさえ出し惜しんじまう
歌うための言葉さえ迷子にしちまう
だから...だから...
答えばかり追い求めるんだ

背負いきれない荷物なら
どこかへほかしてしまおうか
言い訳できる余地があるから
足がくじけてしまったんだ

all reasons & results 捨てられたら
次の一歩が踏み出せるかな
意味を探すのはもうやめにしよう
やりたいことだけ未来だろ
未来だろ


つまらないことをもっとつまらなくして
楽しいことからは逃げ回って
頭に来ることを作り笑いにかえて
許し合う仲間たちを遠ざけて
愛してる人を愛せないで
瞳を覗かれるのをそんなに怖れて
なぜにお前は生きるのかと
誰かが俺に問いかけた

俺は黄色い空を遠くながめて
―何もかもどうでもいいことなんだ―
俺は感動の空を失くしちまった
心ふるえる言葉も忘れちまった
だけど...だけど...
希望だけは捨てたくないんだ

逃れられない痛みなら
どこまでも抱えたままゆこうか
頑張れなんて間抜けた言葉が
俺をこんなに弱くしたんだ

明日はもっとうまくやれる
昨日はたぶん無駄にならない
指の隙間から時間がこぼれても
手に輝くのが希望だろ
希望だろ










自由詩 希望 Copyright 洋輔 2011-02-16 17:16:16
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