惚け
……とある蛙

しっかり生きていこうと思ってはいたが、

うっかり長生きしすぎてしまったものだから
がっかりするようなことを沢山見てしまった。

うっかり長生きしすぎてしまったので
しっかりすることなく生きてきたことがばれてしまって

うっかり長生きしすぎてしまったので
ちゃっかりした奴らにいいようにされたことに気づいた。

気づかなければ済んだことも

うっかり長生きしすぎたので
さっぱり自分が納得できる結末にならず

結局、最後まで
どっしりとした生活を送れず
がっかりした人生を過ごしている。

つっぱりたいのは山々なのだが、
結局 最後まで
ひっそりと生きるしか選択肢はなく

うっかり長生きしすぎてしまったので
きっかり五〇年の人生を大分越えてしまった。

うっかり長生きしすぎてしまったので
すっかり年老いて惨めになってしまった。



うっかり長生きするものではない。
等と愚痴を言いながら毎日生きている
いい気なもんだ。


自由詩 惚け Copyright ……とある蛙 2011-02-16 09:47:24
notebook Home 戻る