春の終わり〜summer has come〜
洋輔



六月の強い日差しに 薄目を開けると
あの頃のままの 君のやさしい笑顔
ビーチで僕は寝そべり まどろんでいたようだ
当たり前のように 両手で君を抱き寄せた

君がいつも嫌うから やめてたはずの煙草が
ポロリと指からすべり落ちた、音もなく
ラジオの音に目を覚ますと 僕の部屋だった
夢を見ていたようだった 不思議と心地いい

僕は今でも君を愛してた
はじめてその事に気が付いた
新しい夏がやって来たんだ

音をたぐり寄せると
より鮮明になる
君の笑顔だけ
今は浮かべる

もっとそばにおいで
夢の中でもいい
止まってた歯車がたった今
動き出した


君がいなくなっても 春はやってきた
秋も冬も通り過ぎたけど 夏だけは来なかった
二年前のさよならの日から 時を止めていた
僕のウォッチに命を吹き込もう

僕は今でも君を愛してた
僕は再び歩き出した
新しい夏がやって来たんだ

音をたぐり寄せると
より鮮明になる
君の笑顔だけ
胸に抱き止める

もっとそばにおいで
夢の中でもいい
いつか大事なものを
この手で守れるように


さわやかな風が吹き始めた
色づきだした街並み
南風が季節を運んでゆく
遠い遠いあの娘に










自由詩 春の終わり〜summer has come〜 Copyright 洋輔 2011-02-14 20:00:24
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