猛烈 (想起させるものに、忠実に)
乾 加津也

猛烈は
空に土足であがりこむ
闘牛の息猛々しいありさまを差しむける
裸(モーレツ)にすれば
コミック漫画のはみ出しイラストにひっぱりだこになる
それほどの猛烈たちがなんども呼びだされて
いい加減見飽きたななどと閉口される
(せっかくノーギャラででてやったのに ぐすん)

四六時中猛烈でいられるはずはない
猛烈だって眠るのだろうよ
すやすやと天使のような寝顔も見せていいのだろうよ
そうやって猛烈は
ことばの愉快を日々生きのこる
仕立てのよさ
オートクチュール掻きわけて
いぶし銀の
凄腕刑事にもとりついて
汗臭い逞しさをムンムンさせてニヤッと笑う

オ、レ!




自由詩 猛烈 (想起させるものに、忠実に) Copyright 乾 加津也 2011-02-14 14:06:03
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