無題
田園

女の
懐かしい油ののった肌
まあるく膨らんだ乳房
あなた、と呼ぶその声のエロチシズム

僕はまた、君に戻ってきたよ
ほうぼうへ旅したのだ
旅賃はなかったから点々と野宿で
そうしたらば、皆が皆、金持ちになっていてね

君、僕は金を持っていないのだ
僕は一人分なら生きるすべを身につけたから
無論、痴呆だの、そういう怖さはあるけどね

君、あいしてくれないか
ごめんねまどろっこしくて
でも君、金の無い男が告白するのにどれだけ勇気がいるか
推しはかってくれ

君が良いのなら僕はサラリーマンになろう
旅はもうたっぷりとした
僕は次の代に移ろうと思ったんだ
そして君は綺麗だ、かわらず綺麗だ

だいぶ勝手なのは分かっているよ
でも断ってもいい
承諾してくれると嬉しい
「僕のお嫁さんになってください」


自由詩 無題 Copyright 田園 2011-02-13 08:01:35
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