ストロー
猫のひたい撫でるたま子
私だけ迷子になったあの夜があった
酔った手でしっかりと駅までの地図を描いてくれた人は、おうちに帰っていった
私はとり残されたマックシェークのストローに巻かれていた紙を剥がして、Gパンのおしりのポケットにしまった
多分皺くちゃで、そうしてやりたかった
多分捨ててしまったそのストローの紙について
終わらない呪文、
終わったから溶けた呪文、
終わらせない理性の無い憂鬱
書いてあった
水密のように甘い、それにしては体に悪い、結び目をみるとやってくる
私の中に棲んでいる妖怪
息をひそめる