ストロー
猫のひたい撫でるたま子

私だけ迷子になったあの夜があった

酔った手でしっかりと駅までの地図を描いてくれた人は、おうちに帰っていった

私はとり残されたマックシェークのストローに巻かれていた紙を剥がして、Gパンのおしりのポケットにしまった

多分皺くちゃで、そうしてやりたかった


多分捨ててしまったそのストローの紙について

終わらない呪文、
終わったから溶けた呪文、
終わらせない理性の無い憂鬱


書いてあった

水密のように甘い、それにしては体に悪い、結び目をみるとやってくる

私の中に棲んでいる妖怪


息をひそめる


自由詩 ストロー Copyright 猫のひたい撫でるたま子 2011-02-13 01:24:10
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