水溜り
たもつ

 
 
掌に雨が降る
小さな水溜りができて
魚たちが泳ぎ始める

両方の手で精一杯の
くぼみをつくる
それでも水や魚は
溢れ出してしまう

途方に暮れているうちに
いつしか雨は止み
水溜りの上に虹がかかる
水は蒸発し
魚たちは鳥になり
空へと戻っていく

弱いからすぐに嘘をつく
そして弱い人間で良かった
そう思うことが時々ある
 
 


自由詩 水溜り Copyright たもつ 2011-02-12 22:28:01
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