さかあがり
あおば

            110211




逆上がり
冷たい夏の
夾竹桃
今日は雪だ!
子供たちは喜んでいる
大人達は渋い顔
老人どもは諦めて
猫の炬燵を用意する
第2国道は渋滞中との報道があり
抜け道を探し回るサイレンの音も聞こえるような気がする
パトカーに追われる違反者が逃げ回っているのだと
物知り顔の元独身貴族は
苦労無しのしかめ面を晒し
徹底して検討して善処しますと頭を下げる
人の噂も75日を狙う作戦と分かっているから
あ〜あ〜あ〜と
ため息混じりにキーボードを叩くをイメージする
TPPになぜ今参加しなければならないのか
イマイチ納得できない
命からがら復員したあげく
DDTまみれになって働かされた先祖が
疑いの眼を蠢かすので
活力のあるうちは
闘うのだと納得する
存在感を失った意識が
逆上がりの夏を夢想して
美しすぎる夾竹桃を描く
潜在成長力を活かしたいと
テレビも
美しいデジタルの映像を描きたがっている






「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。
タイトルは、帆かけさん。



自由詩 さかあがり Copyright あおば 2011-02-11 16:17:08
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