路地2
……とある蛙

黄色い壁伝い 石畳の路地
幅一メートルほどの狭い路地を歩き続ける。
どこまで行っても路地
何時になったら この路地抜けられるのか
少し、焦りながら歩いて行く

突然視界が開け
突然光が戻り
降り注ぐ陽光に
思わず眼を細め

そこは海だった。
港街の一角に有る路地を抜けると
そこは海だった。

歩き始めた時
その街はグレーで
しかもくすんだグレーで
モノトーンの色彩の街角

路地を抜けると突然光りに満ちた色が降り注ぎ
そこが行き先ではなかったが、
燦々と降り注ぐ光のシャワーを浴びて
僕の心は跳びはねていた。

そこで一日が終わるわけではなく
時間が止まることもなく、
そこで道が終わるわけでもなく、

また海岸沿いに歩き始めた僕は
すれ違う人の顔が
満ち足りていることに気づいた。

もう日は傾きかけてきて
朱色の染まった街が
モノトーンに変わる夕暮れの中
帰る家を探し初めている。
帰る家を今から探しても遅いのだが
焦りながらも探している。
今になって帰る家を決めることが必要と感じ
また憂鬱な色をした街を彷徨う。


自由詩 路地2 Copyright ……とある蛙 2011-02-11 11:52:03
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