ふ
ヨルノテガム
くらやみに ふ っと横切りマス
それはスルメを食べ過ぎて下痢をした
静かな週末の夜です
浮遊の ふ かと思いましたが
音符の賑やかな 譜 であるのかもしれませんでした
は でもなく ひ でもなく
ふ ナ感じなのです
熱が出そうな風邪の境目を
世界は回り入ってしまいそうでした
ふ に四つの点(例えば「黒」や「照」の
下の部分の点々点々)がひっついて
駆け回って走り逃げています
ふ に さんずいが付いてうまく隠れているフリしています
かと思えば
雪の結晶みたく ふ が「降」って来るのであります
幾つもの綿雪は降臨してくるので不思議な ふ に埋もれマス
ふ の横顔
ふ の物思い
ふ るさとは しとしとと 人口が消えていると聞きます
唇の先から洩れるは ふぅ――― と吐息の風船ですね
ふふ
ふふふ
ふふ
ふふふふ
笑い声は手を繋ぎはじめます または
最初の ふ にぶら下がって くっつきたがります
腐りはじめる「腐」も居たりして。
最初に横切った ふ は多分 不 だったと思うのですが
何の存在を打ちけしてしまおうとしているのか
不明なのです
それはわかることのないものなのかとも感じるのです
ふ は 不穏な 危ういバランスを指し示している 秤の様、
重さのない言葉の普段を
ぐっと力強く 留め置こうと流れます
ふ は 心 という字の立ち姿にも思えました
はて
さて