約束
AquArium
あの日
涙で滲んだ携帯画面
待ちわびていた再会の日
捜し回った駅のホームで泣きじゃくった
地図上ではたった少しの距離がなぜこんなにも遠い
立ち尽くしたあの夜
あの日
震える手で握った受話器
手のひらに汗が輝いていた初めての電話
確実に速くなった胸の鼓動
たまに遣う方言でさえ新鮮に
私を優しく包んだあの夜
あの日
かじかむ手で握り締めた手紙
白い息吐きながら走った家までの道程
ポストの中を見つめた希望の眼
男らしいあの文字と愛の言葉を
何度も読み返したあの夜
あの日
信じられなかった裏切り
絶望に打ち拉がれていた心
開けることのできなかった瞳こぼれ落ちる涙
一滴一滴染みていく濡れた枕
寂しすぎたあの夜
あの日
交わした約束
たった1つの小さな指切り
ありきたりな言葉だったかもしれない大切な「いつか」を
今でも信じている
この夜