裏切り
さき
言葉は頼りなくて
破って捨てた小説のページより
はらはらと毀れ落ちた
空は曇り
誰かの悲しみでいっぱい
膨らむ風船を
突き刺す
針の先ばかりを
持ち合わせて
優しく壊れないように
抱く
両の腕は
持ち合わせていない
持ち合わせていない
この不安定
私を蝕み
世界を壊す
もっと
もっと
広い世界を
と
望みながら
寒さに弱い
強く立ってると見せかけて
炎であぶられると
たちまち
崩れて
溶ける
ね
私の無様を
どんなになっても愛してくれると誓ってくれないと
駄目なの
ね
あなたの無様を
愛せると私は誓ったのにあなたは
あなたは
駄目なのね