裏切り
さき

言葉は頼りなくて
破って捨てた小説のページより
はらはらと毀れ落ちた


空は曇り
誰かの悲しみでいっぱい
膨らむ風船を
突き刺す
針の先ばかりを
持ち合わせて
優しく壊れないように
抱く
両の腕は
持ち合わせていない
持ち合わせていない


この不安定
私を蝕み
世界を壊す
もっと
もっと
広い世界を

望みながら
寒さに弱い
強く立ってると見せかけて
炎であぶられると
たちまち
崩れて
溶ける



私の無様を
どんなになっても愛してくれると誓ってくれないと
駄目なの



あなたの無様を
愛せると私は誓ったのにあなたは
あなたは
駄目なのね













自由詩 裏切り Copyright さき 2011-02-07 00:01:38
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