会いたかったから
桜 歩美
何度も悩んだ
何度も諦めようとした
あなたをこの世に誕生させること
私はあなたを生むべき体ではないと
薬を治療のためとはいえ
飲み続けなければいけない体で
あなたをお腹に宿しながら
あなたがお腹で生きているのを感じながら
薬を飲む怖さと深い罪悪感と不安感に襲われ
泣き続けた夜もあった
それでもあなたを無事に産みたい
薬を飲んでいるとしてもそのままで産まれてくるあなたを
受け止めようと思い
それでもやっぱり苦しみ続け
こんな体に誰が産んだと言われるのではないかと
涙が止まらない
泣いてばかりの妊娠生活は
長かった
それでも膨らむお腹は温かく
あなたのぬくもりを感じさせる
私には一つの思いでいっぱいになった
「あなたに会いたい」
ただそれだけの思いで
辛くとも辛くとも
なるべく笑って素敵な音楽を聴いて
幸せな時間を送るようになっていた
あなたに会いたい
ただそれだけ
その思いはときに自分勝手のように思える
君の体は私の薬のせいかどうかわからないが
虚弱体質であり
自分でも思い悩んでしまうほどのその弱さを
笑顔で「弱くなんかないよ。来年はもっと強くなるよ。」といいながら
薬を飲んでいた自分自身を責めまくっている私だもの
なんで私はこんな病気なんだろう
そう苦しむことも
君が辛い思いをするときが多い
喘息
辛いね
アトピーはほとんど良くなったのに
今度は喘息が君を苦しめる
一体いつまで君をアレルギーと言う名の刃がむいてくるのか
それでも諦めない
君を幸せにすること
幸せにするためには
私がいつも笑っていなくては
お母さんが笑ってる
それだけで子供って安心する
お父さんに叱られて
お母さんになぐさめてもらえる
すっごい安心
反対もしかり
お母さんはいつも笑ってる
だってお母さんはね
君に会いたかった
とってもとっても会いたかった
そう思って頑張ったからこそ
君に会えたんだ
それだけを思う
これから先いつもそれだけを思う
ありがとう君に
ありがとう出会いを
ありがとう