Balance
瀬崎 虎彦

羽を広げて歌ったり
髪を下ろして眠ったり
きみを観察して飽きることがない
しなやかな人形のようだ

内側にめくれて行く海の
遠い波音を聴くころには
月が高いところまで上り
僕はいつまでたっても僕だ

同じ崖の上で
少しでもバランスを崩しては
いけない崖の上で

雨がやんで雲が晴れ
光が射すのを
眺めているのだった


自由詩 Balance Copyright 瀬崎 虎彦 2011-02-05 21:57:14
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