スパイス
らぐっぱ

絶望をしっているかい?
と聞かれたら、キミはなんと答える?


知っている、と言えるやつはしらないだろう
わからない、と言うやつもしらないだろう
知っていると思う、
と言うやつはちょっとはわかってるかもしれない。


どちらにせよ、キミたちは困っている
そのこころの在り方に
覆われたこころに
くもった瞳に


じぶんにはもう、決して朝が訪れないと
そうかたくなに信じ込んでいるキミに
ぼくはとっておきの呪文をおしえようと思う


これはね、僕の母の残した言葉だ
母はもうこの世にはいない
だがこの世とあの世はとても近いから
そんなことは問題じゃないんだ




   すべては、スパイスなんだ


感情にふりかけた香辛料が
辛味、甘み、酸味、
苦味を決めているんだ

それが
最初からあったものと思わせているだけで


その感情を、
思考を、
よく観察してごらん
独特のスパイスを無意識にふりかけていることに、
気づいてごらん


あなたがその経験を
「苦い」と感じても
他の人はそう感じていないだろう?

だってそれはあなたが選んだスパイスだから
あなたの選んだ、
感情の味つけ



   事実はひとつ
   けれど反応は多種



だからキミは選べるんだ
好みのスパイスを
けれど、それ以前にね
どんなスパイスもふりかけないこと、さえも
えらべるんだよ?




ほら、ね
今、キミは気づいたかな


気づかなくても、別に問題ない
それだって
キミの使うべきスパイスだ

間違えはない
だがいつでもじぶんを変えることができると
それだけを覚えておきなさい



なぜって
だってキミたちはよく言うだろう?
絶望的だ、と
だから僕は聞いたんだ

キミは絶望が何かをしっているのか
って



スパイスの調合師なんて
あたらしい世界には必要ないと思うけどね



すべてのキミは
しあわせでも不幸でもない
キミたちは、ただ、
完璧なんだ

一点のくもりもなく







それだけだよ


それだけなんだよ

















自由詩 スパイス Copyright らぐっぱ 2011-02-05 11:25:54
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