朧月

川の水がなくなっていた
また上流のダムがせきとめられているのだろう
その上流には私のいた村がある
村人にはダムに注ぎ込まれる川の水が
どこでとめられていても関心はない

ダムの真下には友人の家があった
友人の悩みはいつダムが
崩壊するのかわからずに
ひび割れる夢をみてしまうこと

川の下流ではお米作りの
人の深刻な水不足が叫ばれている

田んぼに入る水のトンネルを
いたずらで小学生がせきとめた
それを知った田んぼの持ち主は
小学生の家に怒鳴りこんだ

川はだれのものですか
降る雨に問う 濡れながら
私の住んでる村のそばには
一本の川がありました
私の涙もいれました



自由詩Copyright 朧月 2011-02-05 11:23:05
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