透明ピエロ
影法師


真っ白な顔に
赤い唇
派手な衣装を身に纏い

彼は誰かに楽しんで欲しかった
彼は誰かに笑って欲しかった
彼はあの子の笑顔が見たかった

でもピエロは少しずつ
透明に

誰にも気づかれず
透明に

あの子も彼を見てくれず
透明に


寂しくて
寂しくて
悲しくなって

あの子が振り向き
彼を見た頃には


彼は首を落として

透明になって

静かに消えていた



自由詩 透明ピエロ Copyright 影法師 2011-02-04 19:19:22
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