フローティング
ハイドパーク

トイレから出ると
首の長い女性が
宙に浮かんでいた
待ちきれなくて
こうなったのか

トントンって
ノックしてくれたら
途中で出てあげたよ
可哀想に僕のせいだ

フローリングに
ポタとポタって汚物
我慢できなかったね
可哀想に僕のせいだ

濡れたタオルで
拭いてあげるね
恥ずかしくないよ
みんなやってる
ついさっき僕も
ビチビチ出してた

パンティずらすよ
少し臭いね
気にしないでね
あたりまえだよ
僕のほうが臭い
肉食だからね
タマゴも好きだし

セーター良い匂い
ウンコも匂うけど
だけど良い匂い
まるでおかあさん
抱いてもいいかい

君はいつまで
浮いてるつもり
おかしいね
雪も椿も
美しいものは
みんな落下するよ

ギュッと握り締めた
手の中に何があるの
ねえ教えてよ
そうじゃなきゃ
こじ開けるよ

ねえ開けてよ
とても硬いんだ
ほら頑張るから
指がボキボキって

何なのこれ

それは
灰のように零れる
ドライフラワーの残骸
カサカサ



自由詩 フローティング Copyright ハイドパーク 2011-02-04 18:20:05
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