小さな命
モコ


今日
小さな
小さな命が
天に昇っていった

小さな
小さな命は
それはもう
みんなの人気者で
甘えん坊で
じゃれるのが大好きで
冒険家になるのが夢らしい

お母さんが朝起きると
私の隣からムクッと起きて
甘えた声でおねだりをして
ちゃっかり大好物をもらう
それで空腹が満たされると
また
何事もなかったかのように
私の隣でスヤスヤと眠る
そしてなによりも
お昼寝が毎日の日課で
1番の特等席を陣取って
「私の席よ」とゆずらない
それを見たおばあちゃんは
「罪は無いなあ」と言って
感慨深げに頭を撫でる

私はただ
そんな日常が大好きだった
私はただ
それだけで良かった

小さな
小さな命のおかげで
旧くて恥ずかしくって
大嫌いだったこの家が
いつの間にか心の中で
かけがえのないものへと
変わっていた
私たちの家には
強い絆が結ばれ
多くの会話が生まれ
いっぱいの笑顔がつくられた


この
小さな
小さな命があったことを
ずっと忘れない
一緒に生きてくれて
ありがとう
たくさんのありがとうを
ありがとう




自由詩 小さな命 Copyright モコ 2011-02-04 15:37:40
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