揚げ物には金木犀を包む
アラガイs



(香る
話しは途中で腰を折らなければならない
あの川に行き着くとまだ薄い肌着を脱いだばかりだから
忘れてた
寒さに震えて地上を曝け出すなんて
微汗にもならない

匂いは幹には無視される
枝から葉脈を伝わり僕らに眩暈を呼び起こす
湯の華に浮かべるとその香りは消え失せるから
庭先に金木犀を植えようとして
僕はまた叱られた

実はその匂いで言葉を見失い
油脂が鼻先で邪魔をする
香る風はあの川の流れで堰に止められ
安らかに目覚める*日
目覚めれば匂いは消え失せて
遠いだろうな

ひとり呟きながら歩く

新聞紙で揚げ物を包む
心地よい刺激にはいつも流されるから
尽きるまで話してはならない夢 )
(金木犀
*曜日 。










自由詩 揚げ物には金木犀を包む Copyright アラガイs 2011-02-04 13:50:53
notebook Home 戻る  過去 未来