無呼吸
Monk

アタシのしっぽを握る手
を辿って一歩また一歩近づいていく
ごとに強弱のリズムが狂う
から肩のラインがみっともなく震えて
しまうし見抜かれているアタシ
の幼いところを知り尽くしている
くせに探るように焦らすその手
の主が制御するアタシの呼吸
はすでに限界付近でもう歩けない
と踞り目を背けたい
のに一歩また一歩近づいていく
カツカツカツカツカツカツカ
ツカツと刻まれている秒針
病身静脈体内時計劣化部品
を握りしめる汗ばむ手
を上等悦楽の方向へと保たれる
ことを仕向けられつつも疼く背徳
よりも秒針の振り切れた全身のライン
としてのけぞり反転する声
が掛け金をはずし開放される
と残されたアタシひとりの声




自由詩 無呼吸 Copyright Monk 2004-10-31 23:16:21
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