Darkness
洋輔



いつも部屋の明かりは全開にして
心の闇を照らそうとしていた
俺の姿を映してくれるものを好んで
例えば鏡とか特に求めていた

包まれるのが怖くて
包みこむのは好きだった
魅せられるのが嫌いで
魅せることに魅せられていた

TVやゲームや人の声や
音楽を絶やさぬようにしていた
俺の心を消してくれるものを好んで
いつもグレイの濃い霧をまとっていた

さらけ出すのが怖くて
あばき出すのは好きだった
他人ヒトの下は嫌いで
他人ヒトより上を望んだ

いざとなったら培ってきたフォームなんて
なんの役にも立ちゃしないんだ
最後に残っているのはおまえだけ
そして闇を認めるだろう
いつのまにやら生きてきた世界なんて
がらがらがらと崩れてくんだ
無くしたものなんて何もない
そこで闇を認めるだろう Darkness


人が光を手に入れたときから
心の闇を失い始めていた
その代わりを演じるものを求めて
共に似ているものばかり集まっていた

はずれることを嫌って
前へならえの風がふいた
はみ出すのが怖くて
はみ出し者を作り上げた

いざとなったら止むを得ずの常識なんて
なんの役にも立ちゃしないんだ
最後に残っているのはその血だけ
そして闇を認めるだろう
いつのまにやら作られてきた世界なんて
がらがらがらと崩れていくんだ
無くしたものなんて何もない
そこに闇を認めるだろう

いざとなったら養ってきた理性なんて
なんの役にも立ちゃしないんだ
最後に残っているのはおまえだけ
そして闇を認めるだろう
いつのまにやら生きてきた世界なんて
がらがらがらと崩れていくんだ
無くしたものなんて何もない
そこで闇を認めるだろう Darkness...










自由詩 Darkness Copyright 洋輔 2011-01-31 19:53:28
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