いくつものあれ
はるな

かたちをかえて
ついてくる
いくつものあれは
真っ白な血をはいて
7ほんめのあしで
かきまぜている
くうかんにねじを
さしこむような
それでいて柱を
なぎたおすような
すうじにきざまれた
たくさんの黄色
ちかちかする眼球に
生えたぬるい毛
招待状には
かなぶんが挟まっている
べたべたした猿が
追い回している
赤ん坊のハイヒール
まっさおな雲が
落下していく
最愛のひとに
伝えないままで
最愛のひとが
落下していく
ワゴンセールには
ふるびた頭部
八本めのあれは
真っくらな朝で
まだらもようの舌で
かきまわしている
わきたつようにして
ぶるぶるしたあれが
真っ白な血を
かきまぜながら
最愛の猿
わくわくする頭部
凍結したねじが
おいかけてくる
それがまさに
あしたのゆめだった




自由詩 いくつものあれ Copyright はるな 2011-01-31 14:56:02
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