20回目の誕生日
影法師
1月31日
今から20年前に
母は泣きながら私を産みました
3600gの大きな私は
母を苦しめたそうです
父が家に帰った瞬間に
私は生まれたので
父は立ち会えなかったそうです
あなたをこの世で一番最初に見たのは私よ
おばさんは自慢気に言いました
父と母は
最初が男の子で
次が女の子だったから
3番目の私は男の子だと思っていたそうです
だからこんなに
男の子っぽいのかな
写真を見ると私は
カメラを睨みつけていて
母は
あんたは赤ちゃんの頃から写真を撮られるのが
嫌だったんだねと
大きな声で笑いました
生まれてから20年経ち
私は家族の中で一番背が高くなりました
大きいと思っていた
母
兄
姉
家
お風呂
部屋
家具は
もう小さくなっていて
父は私が大きくなる前に
私を空から見守ることになって
なんだか寂しくて
もうすぐこの家を出ると思うと
なんだか寂しかった
たった20年で人は
多くの事を学び、体験し
多くの人と出会い、別れ
もう20年経ってしまえば
新しい家族が出来ていて
何かを失うのかな
大人になるって
どういうことなのかな
わからない私は
まだ子供なのかな
人は生まれた瞬間に必ず何かの役割を担うそうです
早く自分の役割がわかるといいな