雪の居場所
砂木


用事で呼び出されて実家に行くと
車を外に出して 車庫に雪を入れている

雪の階段を五段 降りて玄関に入る
家の前のパイプとトタンでできた車庫は
軒下の雪を登って 屋根に登れる

家の回りも林檎畑も雪で埋まり
どこにも雪を捨てる場所がない
車は雪の階段を登れない
車を前に出し 車庫の中 土の上に
屋根から降ろした雪を入れている

ほー と言って 笑うしかない
枝道は車一台しか通れない所も多く
除雪車が正面にいるとバックして違う道へ
家の前に軽トラックをとめて
荷台に 屋根から雪を落とす真っ最中の所では
また 諦めて遠回り
雪の壁が高くそびえたち 雪が白く降り続く

雪が欲しかったら売るどお
いらね おらえのほうがもっと凄いった

なあに 春になったら みんな消えるがらなあ
んだったなあ 今だけだしな
もうすぐだ もう少しの辛抱だ

ゆきんこの雪ちゃんになるで
めんこぐねどもよお
心配するな おめだば 無理だ
めんこぐねおの


自由詩 雪の居場所 Copyright 砂木 2011-01-30 21:20:31
notebook Home 戻る