UNTITLED#2
折口也

夕暮れに雑踏の影が行き交う
ビルの窓に
バスの車窓に
黄昏れの輝きが溢れだす
すれ違う人の視界にも

夕暮れの雑踏の影に紛れて
何だか行く先を忘れてしまったよ
そっと見上げていたら
光のうつろう儚いひと時は
人生が透けて見えるだろ

夕暮れが雑踏の影を演出する
真昼の明晰な光は冷た過ぎる
ちょっと影があるほうが
より美しいって事あるだろ
だからもう少しこの時間に留まろう

黄昏れの輝きが溢れるこの時間に


自由詩 UNTITLED#2 Copyright 折口也 2011-01-30 16:59:36
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