夢に関する権利
あおば

                 110129




すぃーとん
 すぃーとん
穏やかな季節
こころからの祝祭日の
いわれなき嫌疑を指弾する指と指の間に巣くう白癬菌を指摘する皮膚科医師の笑顔
すぃーとんと崩れ落ちた自信家の意志を尊重しながら掲げる国旗が翻る時
ピラミッド、長城、地上絵、バスコダガマの辿った旅程等が半旗を翻すのだと
禁止帯を狭める株価の動きが
ショウジョウバエの自主性を尊重しながら
褐炭、亜炭、瀝青炭、泥炭の誇りをウィルス感染から防ぐ円高差益は
還元触媒と酸化触媒の相克に
美しすぎる若人の群れが
雛あられを啄むように語る予言を呑み込みながら
100斤の店内に掃引される我が身の不甲斐なさと
中産階級の購買力に頼る猫またぎの無電源装置の父母達が
テンプラ蕎麦が食いたいと
脇目もふらずに歩いた末に
辿り着いた場末のダンスホールは熱気満々で
床を這う隙間もないくらいだと
古くさい鉛管を片手に
訥々と語り出す
ブブという声を聴き
寒天養殖のノウハウを無給の熟年労働者が説く条件等色を信じながらも
波長依存性に縋る5寸釘の打たれた神社の奥の鬱蒼とした杉木立には
栄枯盛衰毀誉褒貶と
あくまでも4文字熟語に拘るつもりの福々しい太陽光発電された常夜灯の光りは届かないと
ここまでの洞察力と直感を信じ
バランス感覚を保持しながら崩れ落ちる運命的な観念が
自律歩行ロボットを介護しなければならないのだと
咳と鼻水を垂らしながら旋回するミミズクの大きく見開いた眼に映る
野鼠、モグラ、地虫を弄ぶ3D映像が
2次元の古巣を捨てて
形の無い世界に一宿一飯の仁義を切る気迫のこもった長脇差しは
山犬をぶった切った昭和の御代の悪代官達の根性曲がりを砥石にして
口すすぐ参拝客の草履をそろえながら片足立ちで踏み込むふいごの音は
ふぃーふぅーと心地よいリズムを奏で
研ぎ過ぎて地金が露出したなまくら同然の和包丁と切れ味を競うのは
痛々しいと決めつける砂鉄の願いは
一袋500グラム100円の馬鈴薯の芽をえぐり取る無慈悲で残酷な指先に
感じたままの図形を脳裏に刻み
蒸しタオルで火傷する非を奥歯で噛み締め
栄養満点のバター焼きに挑戦する場面を何度でも再生できる圧縮されたコバンザメのような吸着力を放棄する瞬間を焼き増しし
無料配布するか
100円で売るか
迷いながらも決して迷子にならないハモニカ横町の看板の裏に巣くった来年生まれるはずの小雀の同胞が
ひぃーと啼くかふゅーと啼くかで決められる
10銭銅貨を放りながら群青色の道程を選択した愉快な同位体が歩き疲れることなくモーニングセットを注文するので
マイドアリと条件反射したがるベーコンエッグのハハハとヒヒヒとフフフとクククが連発する等音記号の韜晦な感想を隠匿する脱税も許さない正義感溢れる道化役者の無心な横顔を子育て辞典に夾み込み
根性のないムラサキガイの初夢が街道を歩いているよと幼い人の寝顔に告げる寝起きのいい楽譜を便りに旅行するつもりのなけなしのエコポイントが生み出した倫理規定が縋りつく生態系と呼ぶべきか否か断定できない優柔不断なエコロジィーの培養液促成法を断固拒否すると握りしめた拳を反らし欠伸する人の姿にそっくりだと
なんかいもなんかいも飽きるまで繰り返す遺伝子情報が増幅するガンマー線を遮蔽する無鉛細胞の無自覚なリサイクル過程を含む







「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。
タイトルは、ミチヨさん。



自由詩 夢に関する権利 Copyright あおば 2011-01-29 22:36:34
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