光たちよ
within
狂うのです
わたしは狂うのです
わかりません
あなたのいっていることがわかりません
つめたいのはコンクリートも土も同じです
さむさにしんでいく小鳥も
わたしとおなじなのです
こおりついたのは
あなたのことばがわたしの体温を
うばったのです
とけてゆく凍土も氷河も
わたしには死にゆく姿には
見えません
川にながされて
ちいさなうろこが
きらきらと光っています
わたしがだいすきだった光たちが
舞い踊っていたころを
死ぬ間際に見るのでしょうか
わたしがだいすきだったひとたちが
わたしの手を引いてくれるでしょうか
ひとのいなくなったこの家にも
まただれかの声がにぎわう日が
くることを祈りながら
今日もカーテンをあけます
わたしがいきているかぎり
朝がくればカーテンをあけますから
いつでもきてください
光たちよ